マシンピラティススタジオは一時的ブームで終わる!生き残り策はあるか?
- isokari3
- 6 日前
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100年前から存在するピラティス。長年日本ではヨガプログラムの一部にしか過ぎませんでした。どちらかといえば地味で、集客もヨガに劣るイメージですが、近年一気に注目を集めました。当社への問い合わせも[24時間ジム<マシンピラティススタジオ]となり勢いを感じています。でも、このブームは続きません。わずか数年でブームは去るでしょう。今号では、その理由と解決策について考えていきます。
マシンピラティススタジオ急増の背景
2010年代、女性に人気のエクササイズといえばホットヨガがあげられます。ホットヨガのダイエット効果が注目された時期で、全国にスタジオが急増しました。ホットヨガの人気に翳りが見えてきたのは、2020年新型コロナ流行から。密閉加温スタジオで大量の汗をかき、レッスン後のシャワーが必須のホットヨガは、新型コロナと相性が最悪で多くの会員が去りました。2020年7月には国民生活センターからホットヨガの「高温多湿」環境に対する健康リスク(脱水や熱中症恐怖)が注意喚起されたことで、会員減少に追い打ちをかけることになります。マシンピラティススタジオはその受け皿として最適だったのです。シャワー設備もスタジオ加温も必要ないので、出店コストも月々の光熱費も抑えられます。何より物件選択の幅が増えることで、一気に店舗数を増やすことが可能となりました。ホットヨガ、常温スタジオを運営している場合、人材も流用できるので参入ハードルは非常に低いと感じたのでしょう。会員側からしても、ピラティスは西洋のヨガと認識しており、木製の専用器具の柔らかいイメージからも取り組みやすかったのだと思います。最近では業界初参入組でさえ、マシンピラティススタジオ展開を考えており、バブル崩壊は目前に迫っていると予測できます。
<靴磨きの少年>
株式市場における有名な逸話で、市場の減速やバブルを示すシグナルとして語られます。
投資の専門知識がない一般の人々(「靴磨きの少年」に象徴される)が積極的に株の話をするようになれば、市場が過剰に楽観的で、バブルのピークに近づいている可能性がある。 みんなが「儲かる」と信じて市場に飛び込むとき、冷静な判断が失われ、過剰なリスクが無視されることが多い。
まるで、今から24時間ジムのFCに加盟しよう!マシンピラティススタジオをオープンしよう!と考えている企業と重なりませんか?
マシンピラティスに求める効果
会員がマシンピラティスに求める効果は以下の通り。
・姿勢改善 骨格を整え、背骨を支える筋肉を発達させることで、猫背や反り腰、O脚、X脚などの悩みを解消する
・ダイエット 骨格を整えて代謝を上げ、筋肉量を増やすことで、痩せやすい体質に改善する
・ストレス解消 胸式呼吸や動作・体に集中する意識(内観)によって、自律神経を整え、リラックス効果を得る
・柔軟性向上 筋肉を鍛えながら筋肉や骨格を伸ばすストレッチを行うことで、しなやかな身体に変化する
・肩こり・腰痛の緩和 インナーマッスルを鍛え、姿勢が改善されることで、全身の血流が良くなる
・冷えやむくみの解消 骨格を整えることで、内臓の代謝活動が上がることで脂肪の燃焼量もアップする
・更年期症状の緩和 大人女性に嬉しい効果のひとつ
ホットヨガの場合1リットル程度の大汗をかくので、それだけで期待と満足感を与えることができますが、マシンピラティスの場合は地味な反復運動の繰り返しとなりますので、効果が実感できなければ継続してもらえません。ライバルはフィットネス施設よりも本当は整骨院なのかもしれません。
一時的なブームで終わる可能性とその根拠
1. インストラクターの質に大きなばらつきがある
スタジオ数の急増により、インストラクターの需要も急激に増加しました。その結果、「短期養成コース」を修了しただけでデビューするインストラクターが増えています。十分な解剖学や運動学の知識を持たず、上部だけのマシン指導になってしまう。当然、会員が求める効果は得られない。
質の低いレッスンは「効果が感じられない」「ケガをした」「続けたいと思わなかった」といった不満を生み、会員の退会と悪い口コミを招きます。これがマシンピラティス業界全体の信頼低下につながります。
2. サブスクリプション型の価格競争
最近では「月額1万円台で通い放題」などのスタジオも見られますが、これが価格破壊を引き起こし、スタジオ運営の持続性を脅かす可能性があります。価格を下げる=リフォーマーを数多く並べて、1レッスンでの売り上げをキープすることになります。ヨガなど見本を見せて真似てもらうレッスンと違い、会員に寄り添いポイントを意識していただくことが大切なピラティスが、ヨガ並みの人数を捌けるはずもありません。最初から指導クオリティは考えていないということになります。

今後の課題と改善策
マシンピラティス業界は一過性のブームではなく、長期的な文化として定着させるには、今抱える課題をクリアし継続可能なビジネスモデルにしなければなりません。
課題①:インストラクターの育成体制が未熟
改善策:
国際認定資格を基準とする採用・育成体制の導入。
スタジオ側が研修制度や継続学習の機会を用意する。
ピラティス好きだからインストラクターを目指す。学んで極めていきたい。そんな職人のような欲求があります。その欲求に応える環境を提供できなければインストラクターはクラブを未限り、欲求を満たしてくれるスタジオへ移籍してしまいます。クラブは今すぐには無理でも、中長期ビジョンとしてスタッフに対して学ぶ場を与えることを示していく必要があります。
課題②:顧客の継続率が低い
改善策:
レッスン後のフィードバックや体調変化の記録による「変化の見える化」。
目的特化型プログラム提供とサプリメント販売強化
「リフォーマー以外のマシン体験」などで飽きさせない工夫。
音楽、香り、照明などの五感に訴える演出で「空間価値」を高める。
マシンピラティスは筋トレと同じで単純なエクササイズの繰り返し。スタジオプログラムのような楽しいと感じるレッスンではありません。当然、短期間で飽きてしまいます。クラブは短期間で継続して通いたいと思わせないとダメなのです。
<当社プロデュースのポイント>
① ジム併設
② 加圧プログラム導入
③ サプリメント販売
④ 姿勢測定
⑤ 肌のマイクロスコープ撮影
⑥ 体組成測定
⑦ 基礎体温測定
スタジオ単体は多いが、ジム併設となると数は一気に減ります。筋トレを加えることでバリエーションが増え、レッスン以外の日でも通うことができ、夫婦などでも通うことができる。またライトジム会員を設ければ、ジムだけの会員を募集することも可能。60坪もあれば10台のピラティススタジオとライトジムを備えたクラブがオープンできます。
ピラティスレッスンにおいても、短期間で成果を出すために加圧エクササイズを加え、成長ホルモン分泌を促進することでダイエットを促進させます。さらに成長ホルモンはコラーゲンの生成も高めるので、マイクロスコープで肌の拡大写真を定期的に撮影し、キメや張りがどのように変わっているかも見せていきます。同様に姿勢測定を行うことで、体の歪みが改善していることを認識させます。例え、体重や体脂肪が減っていなくても、別の部分で成果が出ていれば会員の継続意欲は保たれます。これらに加えプッシュするのがサプリメントです。
例えば、アルギニンを就寝前空腹時に摂取すると、寝ている間の成長ホルモン値が大幅に上昇する研究結果が沢山あります。これはダイエットや筋肉を育てる上でも重要なことです。ちゃんと効果を説明すれば会員は成果を出すために購入してくれます。購入することで成果が出る確率が高くなり、お互いWin Winなのです。また、スムージープロティンなども朝食置き換えとして推奨しています。女性はタンパク質の摂取量が不足している方が多く、運動しても結果につながらない場合が多いです。必要なタンパク質量を理解頂き朝食をスムージープロティンに置き換えていただくセールスをしていきます。その際に必要なツールは低体温表です。「体温が1度下がったら・・・」で検索してみると、これは使える!と思えるデータが沢山見つかります。それを元にセールストークを構築していけば高い確率で購入いただくことが可能です。
成熟産業へのシフトの鍵
マシンピラティススタジオが一過性の流行ではなく、ヨガのように日本で長期的に定着するためには、「信頼できる指導者」と「効果の実感」が不可欠であると理解いただけたと思います。今後は以下の2つの軸で二極化が進むでしょう。
● 質の高いスタジオ
正しい知識と高い指導力を持つインストラクターを揃え、個々の顧客に深く寄り添う。
健康目的・機能改善を中心に据えた「本質的なピラティス」を提供。
● 価格競争に巻き込まれるスタジオ
安さで集客するが、継続率が低く利益が上がらない。
指導の質が不十分で、業界全体のイメージを損なう可能性。
まとめ:一過性のブームで終わらせないために
マシンピラティスは、正しく活用すれば「運動×医療×美容」を結びつける大きな可能性を持ったメソッドです。だからこそ、業界として本質を見失わず、スタジオ・インストラクター・会員の三者が共に学び、成長していく仕組みづくりが求められます。例えスタートは流行に乗っただけのスタジオであっても、数年かけて本物を提供できるスタジオを目指し進化していければ良いと思います。
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